交換略字【蓬】
[音] | ホウ |
[訓] | よもぎ |
《意味》
【蓬戸】ほうこ
粗末な貧しい家。あばらや。
ヨモギを編んで作った戸の意。
「蓬屋」
【蓬頭】ほうとう
頭髪がボサボサに乱れていること。また、その頭髪。
「蓬髪」
【蓬頭垢面】ほうとうこうめん
身だしなみに気を遣わずむさ苦しいようす。疲れ切って貧相であるようす。
「蓬」はヨモギで「蓬頭」はヨモギのようにぼさぼさに乱れた髪。「垢面」はあかだらけの顔。ぼさぼさ頭にあかだらけの顔の意。
【蓬蓬】ほうほう
【蓬萊】ほうらい
【蓬】よもぎ
キク科の多年草。山野に自生する。葉は干して漢方薬とされ、葉の裏の毛はもぐさの原料となる。もちぐさ。
植物園へようこそ!「ヨモギ」
「艾」「蒿」とも書く。
【蓬生】よもぎう
ヨモギなどの生い茂った所。草深い荒れ果てた所。
【桑弧蓬矢】そうこほうし
男子が志を立てること。
クワの木で作った弓と、ヨモギで作った矢の意で、昔、男の子が生まれると、これで天地四方を射て、天下に活躍することを願った。
「桑蓬の志」ともいう。
【転蓬】てんぽう
あちこちめぐり歩き、居所の定まらない生活のたとえ。漂泊の身の上にたとえる。
風に吹き飛ばされて転がっていく蓬の意から。
「転蓬の憂い」
「蓬」はヒメジョオンに似たアカザ科の植物。
「飛蓬」
【飛蓬】ひほう
あてどない旅人のたとえ。ふらふらして定まらない境遇のたとえ。
風に吹き飛ばされて転がっていく蓬の意から。
「蓬」はヒメジョオンに似たアカザ科の植物。
【敝衣蓬髪】へいいほうはつ
身なりが汚いさま。なりふりにかまわないこと。
「敝衣」はぼろぼろの衣服、「蓬髪」はヨモギのように髪の毛が乱れた頭。
「敝衣」は「弊衣」とも書く。
【麻中の蓬】まちゅうのよもぎ
性質の良い人と交わると、だれでも自然に感化されて善良な人になるというたとえ。
まっすぐな麻の中に生えれば曲がりやすいヨモギでもまわりの麻と共にまっすぐに伸びる意から。
《字源》
声符は「逢(ほう)」。「逢」の声符は「夆(ほう)」。
「夆」は、神の領域にある杉「鉾杉」「神杉」のようなまっすぐ伸びた木の秀つ枝(上の方の枝)に、神が降ってくる形。
「丰」が秀つ枝で、「夂」が上から降るときの後ろ足の形。
そのような木がある山を「峯」といい、そのような神霊に遭遇することを「逢」という。
:「逢」の甲骨文字。
↑左が道を表す「彳」、右上が下向きの足跡で「夂」、右下が「丰」。しんにょうの部品のうち、上向きの足跡を表す「止」はまだ無い。しんにょうは「」の略で、「彳+止」。